喘息でペットを飼育するときの注意

「喘息だとペットを飼えない」
このように考えている方も多いのではないでしょうか。

確かに、アレルギーの原因が動物なら、その動物をペットとして飼うと、喘息が悪化する可能性があります。

しかし、アレルゲンとなる動物を避けるか、飼育するときの注意点を押さえておけば、喘息の人もペットを飼うことが可能です。

今回の記事では、動物アレルギーについてと喘息の人がペットを飼育するときの注意点を紹介します。
喘息だからペットが飼えないと諦めている方は、ぜひ最後までお読みください。

1.動物アレルギーとは


動物アレルギーとは、動物の毛やフケ、唾液、糞尿などがアレルゲンとなり引き起こされるアレルギー症状の総称です。

アレルゲンとなる動物は、犬や猫、ウサギ、鳥、ハムスターなどさまざまです。
なかでも、飼育数の多い犬と猫のアレルギーが多いといわれています。

一般的にみられる動物アレルギーの症状は、以下のようなものがあります。

・アレルギー性鼻炎:くしゃみや鼻水、鼻詰まりなどの鼻炎症状
・アトピー性皮膚炎:湿疹やかゆみなどの皮膚症状
・気管支喘息:咳や喉の違和感、喘鳴などの呼吸器症状

アレルゲンを吸い込んだり触れたりすることで、発症したり症状が悪化する場合があります。
まれにアナフィラキシーと呼ばれる、重篤な症状があらわれる場合もあるため、注意が必要です。

喘息やアトピーがあり、アレルゲンに対して気を付けていても、完全に除去することは難しいでしょう。

ペットを飼っていなくても、ペットを飼育している人と公共施設で接触すれば、アレルゲンが衣類などに付着し、家に持ち込む原因となります。
また、ペットを飼っている人が近づいてきただけで、アレルギーの症状が出ることもあります。

動物アレルギーだと診断されていなくても、動物と触れあったりペットを飼っている家に行ったりしたときに、鼻炎症状や皮膚症状があらわれる人は動物アレルギーの可能性があります。
一度、アレルギーの検査を受けてみるとよいでしょう。

【参考情報】『動物アレルギー』メディカルノート
https://medicalnote.jp/diseases/%E5%8B%95%E7%89%A9%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC

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2.動物アレルギーの検査とは


まず、動物アレルギーが疑われる症状があらわれたら、その状況や症状を問診します。

問診を元に、疑われるアレルゲンを推定し、血液検査や皮膚テストをおこないアレルゲンの特定をおこないます。

<血液検査>
血液検査と聞くと苦手な方もいるでしょう。

しかし、最近では指先から採る少量の血液で検査できる採血方法があります。

血液検査では、IgE抗体を測定することで、アレルゲンを特定することが可能です。

IgE抗体とは、免疫グロブリンの一種です。
アレルゲンが入ってくると反応し、数値が上昇します。

<皮膚テスト>
皮膚テストは、皮膚にアレルゲンを付着させ、発赤やかゆみなどの症状を確認する検査方法です。

よくおこなわれる皮膚テストは、プリックテストとパッチテストです。

プリックテストは、即時型アレルギーに対しておこなわれる検査です。
方法は、プリック針でアレルゲンを少量皮膚の中に入れ、15分後に症状を確認します。

パッチテストは、遅延型アレルギーに対しておこなわれる検査です。
方法は、アレルゲンを背中や上腕の内側などの健常な皮膚に48時間貼付し、得られた反応を基準と照らし合わせ判定します。

【参考情報】『アレルギー検査方法の実際』日本アレルギー学会
https://www.jsaweb.jp/modules/stwn/index.php?content_id=18

3.アレルギーの人が動物との生活で注意すること3つ


ペットは癒しですが、アレルギーがある人が何も対策をせずペットを飼うと、アレルギー症状があらわれ生活の負担になってしまいます。
そして、すでにペットを飼っている人は、簡単に手放すことはできないでしょう。

そのような人のために、アレルギーがある人がペットと暮らしていくために注意することを3つ紹介します。

【参考文献】”Pets and allergies” by National Asthma Council Australia
https://www.nationalasthma.org.au/living-with-asthma/resources/patients-carers/factsheets/pets-and-allergies

3ー1.飼育を屋外にする

動物アレルギーの原因は、動物の毛や唾液、糞尿、フケが原因です。
そのため、ペットを屋外で飼育することでアレルゲンと接触することが少なくなります。

しかし、寒冷地や集合住宅など、ペットを屋外で飼育できない環境もあります。
外で飼育するのが難しい種類の動物もいるでしょう。

どうしても室内でしか飼育できない動物であれば、寝室にペットを入れることは避け、こまめな掃除と換気をしましょう。
ペットと過ごす部屋には空気清浄機を設置するのも、アレルゲンを減らすのに有効です。

また、日中は屋外で飼育し、夜に室内に入れるなど、生活空間にペットがいる時間を短くすることも効果的です。

3-2.ペットは清潔にする

できるだけアレルゲンを体内に入れないよう、犬小屋やゲージを掃除するときには、マスクや手袋を着用しましょう。
そのような対策をおこなうことで、アレルゲンとの接触を防ぎ、症状を抑えることができます。

また、ペットを清潔に保つことも大切です。
こまめに体を洗ってブラッシングしてあげることも抜け毛予防になり、有効なアレルギー対策です。

3-3.カーペットや家具は布製を避ける

カーペットやカーテン、布製の家具は、動物の毛やフケが付着しやすく取り除きにくいです。
そのため、毛足の短いものや丸洗いできるものなど、お手入れのしやすいものを選びましょう。

ソファは隙間にペットの毛が入りやすく、掃除がしにくい場所です。
ソファにカバーをかけて使用すれば洗濯も可能であり、隙間にペットの毛やフケが入り込むことも予防できます。

カーペットやじゅうたんを使う場合には、ペットが立ち入らない部屋で使用するなど、生活空間を分けるのも有効な対策です。

4.おわりに

動物の毛やフケ、唾液、糞尿などがアレルゲンとなり引き起こされるアレルギー症状の総称を動物アレルギーといいます。

喘息や皮膚のかゆみ、くしゃみなどのアレルギー症状がある場合、ペットは可能なら外で飼育し、こまめに洗うなどで清潔に保ちます。

また、室内では生活空間をわけたり、換気や掃除をこまめにおこなったり、アレルゲンとなる動物の毛やフケなど除去しましょう。

動物アレルギーがある人でも、ペットの飼育方法を工夫したり、いくつか対策をしたりすれば、アレルギー症状を最小限にしてペットと暮らすことができる可能性があります。

ペットと一緒に過ごしていて、咳がひどくなったり息苦しさを感じたりしたら、動物に対するアレルギーがある可能性があるため、症状がひどくなる前に、早めに主治医に相談しましょう。