睡眠時無呼吸症候群の検査は自宅でできる?流れや不安について解説
睡眠時無呼吸症候群の検査は、自宅で行える簡易検査から始める場合があります。
ただし、症状や検査結果によっては、睡眠中の状態を詳しく調べるPSGも選択肢の一つです。
「機械を付けて眠れるのか」「痛みはないのか」といった不安を感じる方に向けて、検査内容や流れ、事前に確認したいことを解説します。
1. 睡眠時無呼吸症候群の検査は自宅でできる?

睡眠時無呼吸症候群の検査には、自宅で行える簡易検査と、より詳しく調べる精密検査があります。
症状や検査結果に応じて、適切な方法が選択されます。
1-1. 自宅で行う簡易検査

睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が止まったり浅くなったりする状態を繰り返す病気です。
自覚しにくいことも多く、睡眠中の呼吸状態を検査機器で確認することが大切でしょう。
自宅で行う簡易検査では、専用の機器を装着して、普段と同じように眠りながら以下のような項目を測定します。
・呼吸の状態
・いびき
・血液中の酸素の状態(酸素飽和度)
・脈拍
自宅で検査できるため、「病院では緊張して眠れないかもしれない」という方でも普段に近い環境で確認できます。
簡易検査は、採血などの処置を行う検査ではなく、センサーを付けて測定する検査です。
通常は痛みを伴いませんが、装着による違和感や、固定用テープによるかゆみ・かぶれが生じることがあります。
【参考情報】『Sleep apnea Diagnosis and treatment』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/sleep-apnea/diagnosis-treatment/drc-20377636
1-2. 簡易検査だけでは分からないケース
簡易検査では、一般に脳波を測定しないため、眠っている時間と起きている時間を正確に区別することは困難です。
そのため、検査結果では、無呼吸の程度が実際よりも軽く示されることがあります。
症状が続いているのに異常が確認されない場合や、十分なデータが得られない場合には、医師がPSG(睡眠ポリグラフ検査)などでさらに詳しく調べることを検討します。
検査結果の数値だけで自己判断せず、医師の説明を受けましょう。
1-3. 詳しく調べるPSG検査
PSGは、呼吸状態に加えて脳波などを記録し、睡眠の深さや途中で目覚める様子まで調べる検査です。
簡易検査だけでは捉えにくい、呼吸の乱れと睡眠の関係を確認します。
装着するセンサーや検査場所については、第4章で詳しく紹介します。
【参考情報】『睡眠生理検査(簡易睡眠検査、PSG検査)』国立循環器病研究センター
https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/treatment/laboratorymedicine/physiofunction/detail23/
2. 睡眠時無呼吸症候群の検査を考える症状

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に起こるため、ご本人だけでは気付きにくい病気です。
家族からの指摘や日中の体調変化をきっかけに検査を検討する方もいます。
2-1. いびきや呼吸停止の指摘
睡眠時無呼吸症候群を疑うきっかけとして、大きないびきがあります。
特に、次のような様子がみられる場合は、検査について医師に相談する目安です。
・毎晩のように大きないびきをかく
・家族から「寝ている間に呼吸が止まっている」と言われた
・いびきの途中で呼吸が止まり、その後大きな呼吸音が出る
・夜中に何度も目が覚める
睡眠中の呼吸停止は本人が気付けないことが多いため、家族やパートナーからの指摘は重要な情報になります。
2-2. 日中の眠気や睡眠不足感
睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に呼吸が乱れることで眠りが浅くなり、十分に休めた感覚が得られないことがあります。
受診時に伝えたい症状は、次のとおりです。
・日中に強い眠気がある
・朝起きても疲れが残っている
・起床時に頭痛を感じる
・集中しにくい
・夜間に何度もトイレで目が覚める
「睡眠時間は足りているのに疲れが取れない」という場合、睡眠の質に原因が隠れている可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群では、日中の眠気によって仕事や運転などに影響することもあるため、気になる症状がある場合は早めに相談することが大切です。
2-3. 体型以外にもある発症要因
睡眠時無呼吸症候群は、体型だけでは判断できない病気です。
肥満は発症に関係する要因の一つですが、あごの形や鼻づまりなど、空気の通り道が狭くなりやすい特徴も関係します。
そのため、肥満体型でなくても、いびきや日中の眠気がある場合は医師に相談しましょう。
また、高血圧や糖尿病などを合併していることもあるため、受診時には持病についても伝えてください。
3. 自宅で行う簡易検査の流れと注意点

自宅で行う簡易検査では、専用のセンサーを装着して眠りながら、睡眠中の呼吸や酸素の状態を確認します。
検査前に、何を測るのか、センサーを付けたままどのように過ごすのかを知っておくと安心です。
3-1. 受診から結果説明までの流れ

まずは医師が症状や持病を確認し、検査方法を判断します。
簡易検査を行う場合は、機器の説明を受け、装着方法や検査後の対応を確認しましょう。
自宅では説明に従ってセンサーを付け、一晩の呼吸状態を記録します。
その後は、案内に従って機器の返却やデータの提出を行い、医師から結果の説明を受ける流れです。
機器の受け取り方や返却方法、結果説明の時期は医療機関によって異なります。
【参考情報】『睡眠時無呼吸症候群の診察』日本大学医学部附属板橋病院 睡眠センター
https://www.itabashi.med.nihon-u.ac.jp/sleep_center/sas-shinsatsu.html
3-2. センサーを付けて眠るときの注意点
「センサーを付けたまま眠れるのか」「途中で外れたらどうなるのか」と不安に感じる方もいるでしょう。
自宅で行う簡易検査では、指や鼻、胸、腹部などにセンサーを装着して一晩測定します。装着する場所や機器は検査方法によって異なるため、実際の装着方法は検査を受ける医療機関の説明に従ってください。
検査中に寝返りをしたり、途中で目が覚めたりするのは自然なことです。
夜中にトイレへ行く場合なども、機器の扱いについて事前に説明された方法を確認しておくことが大切です。
途中で目が覚めたからといって、直ちに検査が無効になるわけではありません。
あまり眠れなかったと感じる場合も、そのことを医療機関へ伝えてください。
診断に必要な記録が得られたかを確認し、追加の検査が必要か判断します。
【参考情報】『What to Know About an At-Home Sleep Test』Johns Hopkins Medicine
https://www.hopkinsmedicine.org/health/wellness-and-prevention/what-to-know-about-an-at-home-sleep-test
4. PSG検査では何をする?入院は必要?

PSGは、睡眠中の状態をより詳しく確認するための検査です。
「たくさんの機器を付けて眠るのは大変そう」「入院が必要なのでは」と不安に感じる方もいますが、検査の目的を理解しておくことで安心して受けやすくなります。
4-1. 睡眠中の状態を詳しく調べる検査
簡易検査では主に呼吸状態を確認しますが、PSGでは睡眠そのものの状態を確認するため、以下のような情報を記録します。
・脳波(睡眠の深さや状態を確認するための電気信号)
・眼球の動き
・呼吸の状態
・血液中の酸素の状態
・心拍数
・体の動き
これらを組み合わせることで、睡眠中に呼吸が止まっているかだけではなく、睡眠の質や睡眠中に起きている変化を詳しく確認できます。
【参考情報】『終夜ポリグラフ(PSG)検査』久留米大学病院 睡眠医療外来
https://www.hosp.kurume-u.ac.jp/medical/internal/sleep/psg.html
4-2. 医療機関と在宅で行うPSG
PSGには、医療機関で一晩過ごして行う方法と、対応している医療機関を通じて自宅で行う方法があります。
医療機関でスタッフが記録を確認しながら行う場合は、センサーの外れや記録の乱れにその場で対応できる点が特徴です。
どの方法が適しているかは、症状や持病、検査の目的などを踏まえて医師が判断します。
自宅でのPSGに対応しているか、入院が必要かは、受診先へ事前に確認しましょう。
検査を受ける前に、
・自宅でできる検査なのか
・医療機関で一泊する必要があるのか
・検査時間や当日の流れ
を確認しておくと、不安を減らすことにつながります。
4-3. PSGを検討するケース
PSGは、簡易検査で判断が難しい場合だけでなく、症状や持病によっては初めから検討する検査です。
例えば、心臓や呼吸器の病気などがあり、簡易検査では十分な評価が難しいと判断された場合には、最初からPSGを選ぶこともあります。
検査の順番や方法は一律ではないため、医師に相談して決めましょう。
5. 睡眠時無呼吸症候群の検査前に確認したいこと

睡眠時無呼吸症候群の検査を受ける際は、検査そのものだけでなく、費用や結果が分かるまでの期間なども気になるポイントです。
5-1. 検査方法や費用の確認
睡眠時無呼吸症候群の検査にかかる費用や期間は、検査方法や医療機関によって異なります。
保険が適用される場合でも、自己負担額は検査内容や健康保険の負担割合によって異なるため、事前の確認が必要です。
また、
・簡易検査なのか
・PSGを行うのか
・検査結果の説明はいつ受けられるのか
といった点も医療機関によって異なります。
検査を受ける前に、費用や検査後の流れについて確認しておくと安心です。
5-2. 普段の症状や生活状況を伝える
睡眠時無呼吸症候群の診断では、検査結果だけではなく、普段の症状や生活状況も重要な情報になります。
受診や検査の前に、次の内容をメモしておくと便利です。
・いびきを指摘された時期
・睡眠中の呼吸停止の有無
・日中の眠気の程度
・夜中に目が覚める回数
・服用している薬
・持病
特に、本人が気付いていない睡眠中の様子については、家族やパートナーからの情報が参考になる場合があります。
5-3. 強い眠気がある場合は注意する
睡眠時無呼吸症候群では、日中に強い眠気を感じることがあります。
特に、
・運転中に眠くなる
・仕事中に集中できないほど眠気がある
・会議中や座っている時に眠ってしまう
といった場合は注意が必要です。
強い眠気がある状態での運転は、事故につながる可能性があります。
検査の日程を待つ間でも、日中の眠気が強い場合は無理をせず、運転を控えるなど安全を優先しましょう。
【参考情報】『自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル 』国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03manual/data/sas_manual.pdf
6. おわりに
睡眠時無呼吸症候群の検査には、自宅で行う簡易検査と、睡眠の状態を詳しく調べるPSGがあります。
適した方法は、症状や持病、検査結果などによって異なるため、医師との相談が大切です。
検査への不安があるときは、機器の装着方法や、眠れなかった場合の対応を事前に確認しましょう。
いびきや日中の眠気が続く場合は、家族から指摘された様子もメモして受診すると役立ちます。強い眠気があるときは運転を控え、安全を優先してください。
以下の症状がある方は、早めの受診をおすすめします
- 家族にいびきや呼吸の止まりを指摘されたことがある
- 日中に強い眠気を感じる
- 朝起きたときに頭痛や口の渇きがある
- 十分寝ているのに疲れがとれない
- 夜中に何度も目が覚める
当てはまる項目がある方は、睡眠時無呼吸症候群の検査を受けてみませんか?
