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いびきが危険なサインは?受診の目安と無呼吸の症状を解説

いびきが危険なサインを示したイラスト

「いびきが大きい」と家族に言われても、本人は眠れているつもりで深刻に考えていないことが少なくありません。

けれども、いびきに呼吸停止むせ込み朝の頭痛昼間の強い眠気が重なるなら、ただの“うるさいいびき”ではない可能性があります。

この記事では、受診を考えたい危険サインを整理し、病院に相談すべきタイミングまでわかりやすく解説します。

1.いびきはどこから危険なのか

危険ないびきかどうかは、音の大きさではなく、呼吸の乱れの有無で見分けることを示したイメージ
いびきの危険度は、音の大きさだけでは決まりません。

大切なのは、睡眠中の呼吸が乱れていないか朝や昼の体調に影響が出ていないかという視点です。

1-1.大きないびき=危険とは限らない

いびき自体は珍しい症状ではなく、鼻づまり、飲酒、体重増加、あお向け寝などでも起こります。

そのため、音が大きいからといって即座に重い病気とは限りません。

一方で、日中の眠気が強い、寝てもすっきりしない、家族から「息が止まっていた」「口を開けて苦しそうに寝ている」と言われる場合は話が変わります。

危険かどうかを見分けるときは、「大きいか」より「呼吸が途切れていないか」を優先して確認することが大切です。

◆「家族が気づく危険ないびき・口呼吸の対処法と受診のポイント」>>

1-2.注意したいのは呼吸の乱れ

危険ないびきで問題になるのは、眠っている間に空気の通り道が狭くなり、呼吸が浅くなったり止まったりすることです。

睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に呼吸が何度も止まる、あるいはかなり浅くなる病気とされており、息が再開するときに「ガッ」「ゴホッ」と大きく息を吸うような音が出ることがあります。

こうした状態が一晩中くり返されると、眠っていても睡眠の質が落ち、体が十分に休まりません。

【参考情報】『Snoring』NHS
https://www.nhs.uk/symptoms/snoring

2.危険ないびきの特徴

危険ないびきの特徴を示したイメージ
危険サインは、夜の様子と昼間の不調に分けて考えると整理しやすくなります。

本人よりも家族のほうが気づきやすいサインがある一方、自分でしかわからない体調変化もあります。

2-1.家族が気づきやすい夜のサイン

受診のきっかけになりやすいのは、同居家族やパートナーが見つける夜間の変化です。

代表的なのは、いびきの途中で急に静かになるしばらくして大きな息継ぎやむせ込みが入る何度も寝返りを打つ夜中に何度も目が覚める、 といったパターンです。

こうした状態が続くと、本人だけでなく、隣で眠る家族やパートナーの睡眠にも影響が及ぶことがあります。

本人は「眠れている」と思っていても、実際には呼吸が止まるたびに眠りが浅くなる状態が起こり、睡眠が細切れになっていることがあります。

家族から具体的な指摘がある場合は、軽く見ないほうがよいでしょう。

◆「夫婦でできる睡眠改善と受診のすすめ」>>

2-2.本人が気づきやすい朝と昼のサイン

本人が自覚しやすいのは、朝のだるさ起床時の頭痛熟睡感の乏しさ昼間の強い眠気です。

朝起きてもすっきりしない、日中に眠い、集中しづらい、物忘れが増える、運転中やテレビ視聴中にうとうとする、といった症状がみられることがあります。

特に「ちゃんと寝たはずなのに昼がつらい」という状態は、睡眠時間の不足だけでは説明できず、睡眠の質そのものが落ちているサインかもしれません。

【参考情報】『健康づくりのための睡眠ガイド2023』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf

2-3.危険サインのチェックリスト

次の項目は診断そのものではありませんが、受診を考える目安として使いやすいチェックリストです。

家族に言われた内容と、自分の体調を合わせて確認してみてください。

・家族から「寝ている間に呼吸が止まっていた」と言われる。
・いびきのあとに、大きな息継ぎやむせ込み、窒息するような音がする。
・朝起きたときに頭が重い、または頭痛がある。
・寝た時間のわりに回復感がなく、昼に強く眠くなる。
・集中しづらい、仕事中にぼんやりする、物忘れが増えた。
・健診で血圧が高めと言われた、あるいは高血圧の治療中でもコントロールが不十分と感じる。
・運転中や会議中、テレビを見ているときに眠気で意識が落ちそうになる。

特に「呼吸停止」「窒息感」「運転に差し支える眠気」のどれかがある場合は、様子見より受診を優先したほうが安心です。

複数当てはまる場合も、早めの相談がすすめられます。

【参考情報】『寝ても疲れが取れないなら要チェック!あなたの睡眠の質』厚生労働省
https://kennet.mhlw.go.jp/slp/event/sleep_quality/index.html

◆「いびきが気になる時は何科を受診する?」>>

3.睡眠時無呼吸症候群との関係

睡眠時無呼吸症候群になりやすい人の特徴のイメージ
家族から「寝ている間に息が止まっていた」と言われたとき、 最も意識したいのが睡眠時無呼吸症候群です。

いびきとこの病気は重なる部分がありますが、いびきをかく人すべてが睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。

3-1.いびきと無呼吸の違い

単純ないびきは、空気の通り道が少し狭くなって振動音が出ている状態です。

これに対し、睡眠時無呼吸では上気道が何度も大きく狭くなったり、閉じたりして、呼吸そのものが止まる・著しく浅くなるという違いがあります。

特に家族に指摘されやすい危険ないびきの多くは、舌やのどの軟らかい組織が眠っている間に落ち込み、空気の流れを妨げるタイプです。

つまり、いびきは症状のひとつですが、呼吸の質の低下を伴うと病気としての意味合いが強くなります。

いびきと睡眠時無呼吸の違いを示した図解

◆「睡眠時無呼吸症候群」についてくわしく>>

3-2.なりやすい人の傾向

この病気は誰にでも起こりえますが、30〜60代の男性体重が増えてきた人飲酒習慣がある人喫煙者年齢とともに首まわりに脂肪がつきやすくなった人では、注意度が上がります。

また、太っていなくても、あごの形舌の大きさ扁桃の大きさ鼻づまりなど体のつくりによって起こることもあります。

「自分はそこまで太っていないから大丈夫」とは言い切れません。

家族歴が関わる場合もあるため、兄弟や親に同じ傾向がある人も、一度は確認しておきたいところです。

【参考情報】『Obstructive sleep apnea – adults』National Library of Medicine
https://medlineplus.gov/ency/article/000811.htm

4.放置すると起こる健康リスク

危険ないびきを方すると起こる健康リスクを示したイメージ
危険ないびきを放置しないほうがよいのは、睡眠の質が落ちるだけでは済まないからです。

夜間の低酸素と睡眠の中断が続くと、体に慢性的な負担がかかります。

4-1.血圧や心臓・脳への負担

睡眠中の呼吸停止がくり返されると、体内の酸素が不足し、そのたびに心臓や血管へ負荷がかかります。

睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や動脈硬化に関係するとされており、放置すると心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める可能性があります。

さらに、睡眠の質の低下や慢性的な低酸素状態は、血糖値にも影響を与えることがあり、糖尿病との関連が指摘されています。

健診で血圧が高めだった人にとって、いびきは生活習慣の問題だけではなく、体からのサインである可能性もあるため、注意が必要です。

◆「睡眠時無呼吸症候群と糖尿病の関係性」とは>>

4-2.事故や仕事への影響

放置による影響は、検査の数値だけではありません。

睡眠の質が悪い状態が続くと、昼の眠気判断力の低下集中力の低下につながり、仕事の効率が落ちやすくなります。

また、強い眠気によって居眠り運転や操作ミスが起こりやすくなり、自動車事故や労働災害のリスクが高まることもあります。

眠気を「年齢のせい」「疲れているだけ」で片づけないことが大切です。

早めに原因を確かめれば、対策できる可能性があります。

5.病院を受診すべきタイミング

危険ないびきで病院を受診すべきタイミングを示したイメージ
「まだ受診するほどではないかも」と迷う人ほど、判断基準を持っておくと安心です。

重要なのは、いびきの有無より“生活や健康に影響が出ているか”です。

5-1.早めに相談したいケース

受診を考えたいのは、家族に呼吸停止を指摘されたとき窒息するような息継ぎがあるとき、朝の頭痛や熟睡感のなさが続くとき、そして昼間の眠気が強いときです。

特に、運転中に眠い、仕事中に意識が落ちそうになる、起きても疲れが抜けない、といった状態は早めの相談が望まれます。

思い当たる症状がある人は、睡眠時無呼吸症候群を含めて専門医に相談してみましょう。

◆「睡眠時無呼吸症候群は呼吸器内科で検査・治療がおこなえます」>>

5-2.受診後の検査と治療

受診すると、まず症状の聞き取りや、口・鼻・のど、首まわりの状態の確認が行われます。

そのうえで必要に応じて睡眠検査が案内され、最近では自宅で行える簡易検査が使われることもあります。

簡易検査は、センサーを装着して一晩眠り、睡眠中の呼吸状態や酸素の低下などを確認する検査です。

当院でも、入院せずに行える簡易検査に対応しています。

より詳しい検査が必要な場合は、睡眠中の呼吸、酸素の値、心拍、脳波などを調べる精密検査につながります。

診断がつけば、体重管理、飲酒習慣の見直し、あお向け寝を避ける工夫、マウスピース、CPAPなど、状態に合わせた治療が選ばれます。

CPAPは、睡眠中に空気を送り込み、気道が塞がるのを防ぐ治療です。

受診後の検査と治療のフローチャート

睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療によって改善を目指せる病気です。

気になる症状がある場合は、早めに相談してみましょう。

5-3.受診前に準備したいこと

受診前は、家族やパートナーに「どんな音がするか」「呼吸が止まる時間があるか」「何度も起きていないか」を聞いておくと役立ちます。

可能であれば、様子を知っている人と一緒に受診すると説明がしやすいでしょう。

また、日中どんな場面で眠くなるか、最近の体重変化、飲酒習慣、健診での血圧の指摘なども整理しておくと診察がスムーズです。

前述のとおり、検査は自宅でできる場合もあるため、「大変そう」と構えすぎなくて大丈夫です。

【参考情報】『睡眠生理検査(簡易睡眠検査、PSG検査)』 国立循環器病研究センター
https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/treatment/laboratorymedicine/physiofunction/detail23/

6.おわりに

いびきはありふれた症状ですが、呼吸停止、窒息感、朝の頭痛、日中の強い眠気がそろうなら見過ごせません。

背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあり、放置すると高血圧や事故リスクにもつながります。

反対に、早めに相談すれば検査や治療の選択肢があります。

「家族に言われたけれど様子見でよいのか迷う」という段階こそ受診のタイミングです。

気になる方は、無理に我慢せず当院へご相談ください。

以下の症状がある方は、早めの受診をおすすめします

  • 家族にいびきや呼吸の止まりを指摘されたことがある
  • 日中に強い眠気を感じる
  • 朝起きたときに頭痛や口の渇きがある
  • 十分寝ているのに疲れがとれない
  • 夜中に何度も目が覚める

当てはまる項目がある方は、睡眠時無呼吸症候群の検査を受けてみませんか?

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