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喘息治療薬「キプレス」「シングレア」とは?効果・使い方・副作用を解説

喘息治療薬「キプレス」「シングレア」の効果・使い方・副作用を医師が解説

キプレスとシングレアは、喘息の治療に用いられる薬剤です。

販売会社の違いにより名称は異なりますが、どちらも同じ主成分が使われています。

この記事では、キプレス・シングレアの効果、正しい使い方、副作用、注意すべき症状について解説します。

1.シングレア・キプレスとは?喘息に使われる理由

シングレア・キプレスは喘息と花粘膜の炎症にも使われる薬

シングレア・キプレスは、喘息の長期管理に使われる薬です。

発作が起きたときだけ使う薬ではなく、毎日続けることで気道の炎症や収縮に関わる反応を抑え、咳やゼーゼーする症状を起こりにくくします

まずは、薬の成分と働きから確認しましょう。

1-1. 有効成分は「モンテルカスト」

シングレアとキプレスは販売名が異なりますが、どちらも有効成分は「モンテルカストナトリウム」です。

モンテルカストは、ロイコトリエン受容体拮抗薬と呼ばれる種類の薬で、喘息やアレルギー性鼻炎の治療に用いられます。

【参考情報】『Montelukast (Oral Route)』Mayo clinic
https://www.mayoclinic.org/drugs-supplements/montelukast-oral-route/description/drg-20064902

ロイコトリエンは、アレルギー反応や炎症に関わる物質のひとつです。

喘息では気道が敏感になっているため、ロイコトリエンの影響で気管支が狭くなり、咳、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)、息苦しさが出やすくなります。

シングレア・キプレスは、ロイコトリエンの働きをブロックし、喘息症状が出にくい状態を保つために使われます。

◆「喘息の症状」について>>

モンテルカストの作用の仕組み

また、ロイコトリエンは気道だけでなく鼻粘膜の炎症にも関わるため、喘息とアレルギー性鼻炎を合併している方に処方されることがあります。

花粉の時期に咳が増える、鼻づまりが強くなると喘息も悪化する、夜間に咳が出やすいといった方は、鼻と気管支の両方を見ながら治療を組み立てることが大切です。

◆「花粉症シーズンに喘息が悪化する理由」>>

1-2. ジェネリック医薬品もある

シングレア・キプレスには、同じ有効成分を含むジェネリック医薬品があります。

処方せんや薬袋に「モンテルカスト錠」「モンテルカストOD錠」「モンテルカスト細粒」などと書かれている場合、同じ系統の薬である可能性が高いでしょう。

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を同量含み、同等性が確認された医薬品です。

ただし、剤形、味、添加物、薬価は製品によって異なることがあります。

飲みにくさやアレルギー歴がある方、不安がある方は、自己判断で変更せず 医師または薬剤師に相談するとよいでしょう。

【参考情報】『安心してご利用ください ジェネリック医薬品』政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/article/201309/entry-8941.html

2. シングレア・キプレスの効果と役割

医師が、シングレア・キプレスは毎日継続して発作を予防する薬と説明している様子

喘息治療では、症状が出たときだけ対処するのではなく、普段から気道の炎症を抑えて発作を予防することが重要です。

シングレア・キプレスは、その中で「発作を起こしにくくする薬」として使われます。

2-1. 毎日継続して発作を予防する薬

キプレス・シングレアは、毎日同じ時間に定期的に服用することで、喘息の発作を予防する効果が期待できます。

症状が落ち着いたからといって自己判断で中止したり、量を減らしたりすると、咳や息苦しさが再び出やすくなることがあります。

喘息は症状がない時期にも気道の炎症が残っている場合があります。

中止や減量を考えるときは、必ず診察で相談しましょう。

◆「喘息治療のゴール」とは?>>

【参考情報】『About montelukast』NHS
https://www.nhs.uk/medicines/montelukast/about-montelukast/

2-2. 発作時にすぐ効く薬ではない

シングレア・キプレスは、すでに起きている喘息発作を速やかに改善する薬ではありません

発作時には、医師から処方された発作治療薬(リリーバー)を使用してください。

・息苦しさが強い
・会話がしづらい
・横になれない
・唇の色が悪い

などの症状があれば、早めの受診や救急対応が必要です。

特に小さなお子さまの場合は、本人が苦しさをうまく表現できないことがあります。

咳き込みが続く、肩で息をしている、眠れないほど苦しそう、といったサインを保護者の方が確認することも大切です。

◆「子どもが喘息発作を起こしたら?応急処置と受診判断」>>

2-3. 吸入薬と併用されることもある

喘息治療では、吸入ステロイド薬などの吸入薬が中心になることが多く、シングレア・キプレスは症状や体質に応じて追加されることがあります。

特に、夜間や早朝の咳、運動時の息苦しさ、アレルギー性鼻炎の合併がある場合には、治療選択肢の一つになります。

「飲み薬だけで十分か」「吸入薬を続ける必要があるか」は、喘息の重症度や検査結果によって変わります。

◆「吸入薬の種類と正しい使い方」>>

3.シングレア・キプレスの使い方

シングレア・キプレスには、錠剤、OD錠、チュアブル錠、細粒など複数の剤形があり、処方された薬の形に合った使い方を確認している様子

シングレア・キプレスには、錠剤、OD錠(口腔内崩壊錠)、チュアブル錠、細粒など複数の剤形があります。

年齢や飲み込みやすさに合わせて選ばれるため、処方された薬の形に合った使い方を確認しましょう。

3-1.年齢・剤形別の基本的な飲み方

シングレア・キプレスは、年齢によって使われる剤形や量が異なります。

成人では錠剤またはOD錠小児ではチュアブル錠や細粒が選ばれることが一般的です。

以下は、喘息で使用する場合の目安です。             

対象 主に使われる剤形 通常の飲み方 ポイント
成人 錠剤10mg、OD錠10mg 1日1回、就寝前に服用 錠剤は水またはぬるま湯で飲みます
6歳以上の小児 チュアブル錠5mg 1日1回1錠、就寝前に服用 口の中で溶かす、または噛み砕いて飲みます
1歳以上6歳未満の小児 細粒4mg 1日1回1包、就寝前に服用 1包を残さず飲み切ります
飲み込みが苦手な方 OD錠、細粒、チュアブル錠 医師が年齢や状態に合わせて判断 自己判断で剤形を変更しないようにします

同じ「モンテルカスト」でも、チュアブル錠、錠剤、OD錠、細粒は使う年齢や飲み方が異なります

たとえば、チュアブル錠5mgと錠剤5mgは、同じ5mgでも剤形や飲み方が異なるため、自己判断で置き換えないようにしてください。

また、処方された量より多く飲んだり少なく飲んだりすると、十分な効果が得られなかったり、副作用が出やすくなったりすることがあります。

用量は自己判断で変更せず、医師の指示どおりに服用しましょう。

【参考情報】『Montelukast – StatPearls』National Center for Biotechnology Information (NCBI)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK459301/

3-2. 剤形ごとの飲み方と注意点

シングレア・キプレスは、剤形によって飲み方の注意点が少しずつ異なります。

特に、OD錠は取り出し方、細粒は開封後の時間に注意が必要です。

剤形 飲み方 注意点
錠剤 コップ1杯程度の水、またはぬるま湯で飲む 噛まずにそのまま服用します
OD錠 舌の上にのせ、唾液で湿らせて水なしで飲める。水やぬるま湯で飲んでもよい 吸湿しやすいため、飲む直前にシートから取り出します
チュアブル錠 口の中で溶かす、または噛み砕いて飲む 小児向けに使われる剤形です
細粒 口に直接入れる、または室温以下の柔らかい食べ物・調製ミルク・母乳に混ぜて飲む 光に弱いため、開封後15分以内に飲み切ります

OD錠は、ブリスターシートの裏面をはがしてから丁寧に取り出します。

押し出すと割れることがあるため注意しましょう。

もし錠剤が欠けたり割れたりした場合も、欠けた分を含めて全量を飲むようにします。

【参考情報】『Q10 今まで飲んでいた錠剤が、同じ成分で水なしで飲める錠剤に変更になりました。くすりの効果に差はないのでしょうか。』医薬品医療機器総合機構
https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-drugs/qa/0002.html

細粒は、小さなお子さまでも飲みやすいように、室温以下の柔らかい食べ物や少量の調製ミルク・母乳に混ぜることができます。

ただし、熱い飲み物に混ぜたり、作り置きしたりするのは避けてください。

開封後は時間を置かず、15分以内に飲ませることが大切です

3-3. 飲み忘れたとき・多く飲んでしまったときの対応

飲み忘れた場合でも、2回分をまとめて飲んではいけません。

気づいたタイミングによって対応が変わるため、注意しましょう。

・飲み忘れに気づいた・・・気づいた時点で1回分を飲む
・次の服用時間が近い・・・飲み忘れた分は飛ばし、次の時間に1回分だけ飲む
・多く飲んでしまった・・・異常を感じた場合は、医師または薬剤師に相談

シングレア・キプレスは、毎日同じタイミングで続けることで喘息症状を起こりにくくする薬です。

飲み忘れが続くときには、寝る前の歯みがき後に飲む、スマートフォンのアラームを使う、薬を置く場所を決めるなど、生活習慣と結びつけると防ぎやすくなります。

4. シングレア・キプレスの副作用と相談の目安

シングレア・キプレスの副作用

シングレア・キプレスは喘息治療で使われる薬ですが、ほかの薬と同じように副作用が起こることがあります。

多くの場合、気になる症状があっても軽度で済むことがありますが、症状が続く場合や日常生活に支障がある場合は、無理に我慢せず医師または薬剤師に相談しましょう。

4-1. 主な副作用

シングレア・キプレスの服用で発現する主な副作用は、以下となります。

・眠気
・頭痛
・腹痛、下痢、胃の不快感、吐き気
・口の渇き
・発疹、かゆみ
・むくみ、倦怠感

【参考情報】『シングレア錠5mg/シングレア錠10mg/シングレアOD錠10mg 患者向医薬品ガイド』医薬品医療機器総合機構
https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/181615_4490026F2059_3_03G.pdf

4-2. 気分や行動の変化にも注意

シングレア・キプレスの有効成分であるモンテルカストでは、関連性が明らかではないものの、気分の落ち込み、不眠、悪夢、攻撃的になる、死にたいと感じるなどの症状も報告されています。

いつもと違う気分の落ち込み、怒りっぽさ、眠れない状態が続くときは、本人だけで抱えず、早めに医師へ相談してください。

特にお子さまの場合、自分の気持ちや体調の変化を言葉で伝えにくいことがあるため、保護者の方が普段と違う様子に気づいた場合は受診時に伝えましょう。

これらの症状は誰にでも起こるものではありません。

必要以上に怖がるよりも、「いつもと違う変化があれば早めに相談する」という意識で確認しておくことが大切です。

4-3. すぐに相談・受診したい症状

ごく稀ではありますが、薬に対する強いアレルギー反応や重い副作用が起こることがあります。

以下のような症状がある場合は、早めに医療機関へ連絡してください。

・アナフィラキシー(全身のじんましん、強いかゆみ等、複数の症状)
・血管浮腫(唇やまぶた、顔、首が急に腫れる、喉がつまる、声が出にくい )
・肝機能障害(白目や皮膚が黄色くなる、尿の色が濃くなる、強いだるさ、吐き気、食欲不振 )
・重い皮膚症状(広範囲の発疹、水ぶくれ、発熱、口や目のただれ )
・血小板減少(鼻血、歯ぐきの出血、あおあざ、出血が止まりにくい )

【参考情報】『アナフィラキシー』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1h02.pdf

4-4. 妊娠中・授乳中・ほかの薬を使っている方へ

妊娠中、妊娠している可能性がある方、授乳中の方、長期にステロイド療法を受けている方、ほかの薬を使用している方は、服用を始める前・継続中に医師へ相談してください。

また、ほかの医療機関を受診する場合や市販薬を購入する場合にも、お薬手帳を持参して伝えるとよいでしょう。

◆「喘息患者の妊婦が気になる不安や疑問」について>>

5.シングレア・キプレスの薬価とジェネリック医薬品

シングレア・キプレスの薬価

薬を継続するうえで、費用も気になるポイントです。薬価は改定されるため、ここでは参考値として確認し、実際の窓口負担は保険割合や処方日数、調剤料などを含めて薬局で確認しましょう。

シングレアの薬価は、以下のとおりです。

・シングレア錠5mg 94円/錠
・シングレア錠10mg 112.3円/錠
・シングレアチュアブル錠5mg 117.8円/錠
・シングレア細粒4mg 112円
・シングレアOD錠10mg 112.3円/錠

キプレスの薬価は、以下のとおりです。

・キプレス錠5mg 42.2円/錠
・キプレス錠10mg 41.9円/錠
・キプレスチュアブル錠5mg 41.3円/錠
・キプレス細粒4mg 56.3円/包
・キプレスOD錠10mg 41.9円/錠

ジェネリック医薬品では、同じモンテルカストでもメーカーや剤形によって薬価が異なります。

錠剤10mgでは10円台から30円台の製品もあり、細粒やチュアブル錠も複数の製品が販売されています。

薬価は変更されるため、最新の費用は処方時に確認してください。

【参考情報】『商品一覧 : モンテルカスト』KEGG MEDICUS
https://www.kegg.jp/medicus-bin/similar_product?kegg_drug=DG01066

6.おわりに

シングレア・キプレスは、喘息発作を起こりにくくするために毎日続ける薬です。

発作時にすぐ効く薬ではないため、処方された発作治療薬との使い分けを理解しておきましょう。

症状が落ち着いていても、自己判断で中止せず、咳や息苦しさが続く場合は呼吸器内科へご相談ください。

薬の効果や副作用を一緒に確認しながら、無理なく続けられる治療を考えていきましょう。

お薬についてこのようなお悩みはありませんか?

  • 処方された吸入薬の使い方に不安がある
  • 薬を使っていても症状がコントロールできない
  • 副作用が気になっている
  • 薬を自己判断でやめてしまった

喘息の治療は継続が大切です。お薬のことは主治医にご相談ください。

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