午前 月~土祝  9:00~12:00
午後 月~木土祝   15:30~18:30
土祝の午後 14:30~17:30
ご予約・ご相談はこちらから

咳が止まらない・鼻水が続くときの受診目安 いつ病院に行くべき?

咳や鼻水が続くときの医療機関への受診目安を表したイメージ

「咳と鼻水が続いているけれど、このまま様子を見ていて大丈夫かな」
「いつになったら病院に行くべきだろう」

と不安になることはありませんか?

風邪だと思っていた症状が長引くと、別の病気ではないかと心配になる方は多いのではないでしょうか。

この記事では、鼻水を伴う咳がどの段階で医療機関への受診を考えるべきか、判断の目安をわかりやすく解説します。

1. 鼻水と咳が止まらないに知っておきたいこと

咳や鼻水がどれくらい続くかの期間によって注意すべきかが分かるイメージ
咳や鼻水が続く期間によって、考えられる原因や対処法は大きく異なると言われています。

医学的にも期間による分類がされており、「どのくらい続いたら注意が必要か」を知っておくことは早期対処につながる重要なポイントです。

ここでは、咳・鼻水の期間による分類と、その背景にある原因についてご説明します。

1-1. 咳の期間による医学的な分類

日本呼吸器学会のガイドラインでは、咳嗽(がいそう)を、期間によって次の3つに分類しています。

咳嗽とは、医学的な咳の正式な呼び名です。

・3週間未満の咳:急性咳嗽(きゅうせいがいそう)
・3週間〜8週間続く咳:遷延性咳嗽(せんえんせいがいそう)
・8週間以上続く咳:慢性咳嗽(まんせいがいそう)

期間によって3つに分類された咳嗽の図解

急性咳嗽は、風邪やインフルエンザなどの感染症が原因であることが多く、多くの場合は自然に治まります。

しかし、3週間を超えても咳が止まらない場合は、感染症以外の病気が隠れている可能性があるため、医療機関への相談を検討することをおすすめします。

【参考情報】『呼吸器Q&A 咳と痰が3週間以上続きます』日本呼吸器学会
https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q02.html

1-2. 鼻水が咳の原因になる後鼻漏(こうびろう)とは

鼻水が喉の奥へ流れ落ちる現象を「後鼻漏」といいます。

後鼻漏は、長引く咳の主な原因の一つで、喉に流れ込んだ鼻水が気道を刺激することで咳が引き起こされると言われています。

後鼻漏による咳は、寝ているときや起床時に出やすく、喉に何かが張り付いているような不快感や、痰が絡むような咳が続くのが特徴で、喉の奥に鼻水が流れる感覚を自覚する方も多くいます。

1-3. 鼻水・痰の色や状態でわかること

鼻水や痰の色や状態は、原因を知る上で重要なヒントになります。

症状の変化に気づいたときは、色や状態をメモしておくと受診時に役立つでしょう。

・鼻水について
透明でさらっとした鼻水は、アレルギー性鼻炎や風邪の初期に多く見られます。
一方、黄色や緑色のドロッとした鼻水は、細菌感染や副鼻腔炎(ちくのう症)が疑われる場合があります。
また、鼻水が長期間続いたり、鼻のあたりに独特のにおいを感じる場合も、副鼻腔炎の可能性を考える必要があるでしょう。

・痰について
痰も鼻水と同様に、色や状態が体の状態を知る手がかりになります。
透明や白っぽい痰はウイルス性の感染症や気管支炎の初期に多く、黄色や緑色の痰は細菌感染が進んでいるサインの可能性があります。
また、痰の粘り気が強くて出しにくい場合や、量が急に増えた場合も、症状の変化として医師に伝えるようにしましょう。

◆「痰の色や状態」について>>

2. 自然に改善しやすいケースの特徴と自宅での上手な過ごし方

鼻水と咳は自然に治癒する事もあり、自宅療養中に行うとよい十分な睡眠、水分補給、部屋の湿度管理、栄養面のサポート、体力の消耗を避けるためシャワーにとどめるなどの具体例の紹介
風邪の症状として現れる鼻水と咳は、多くの場合、自然に治まっていくと言われています。

ただし、すべてのケースが自然治癒するわけではなく、症状によっては早めの受診が必要なこともあります。

この章では、様子を見てもよい場合の目安と、自宅療養中に心がけたいポイントをご紹介します。

2-1. 様子を見てもよい咳・鼻水の特徴

咳や鼻水以外に強い症状がなく、食欲があって普段通りに過ごせている場合は、1週間程度様子を見てもよいでしょう。

具体的には、症状が徐々に軽くなってきており、夜もしっかり眠れていて、発熱がないか微熱程度(37度台前半)であること、そして呼吸が苦しくないことが目安となります。

【参考情報】『Common Cold』 Centers for Disease Control and Prevention
https://www.cdc.gov/common-cold/about/index.html

2-2. 風邪の自然な経過

一般的な風邪は、おおよそ次のような経過をたどります。

発症から1〜3日目にかけては、鼻水や喉の痛み、くしゃみといった症状が現れ始め、3〜5日目頃に症状がピークを迎え、咳が出始める場合もあります。

その後、5〜7日目には徐々に症状が和らぎ、7〜10日目にはほとんどの症状が治まってくるのが一般的です。

【発症後】
・1〜3日目:鼻水や喉の痛み、くしゃみといった症状が現れ始める。
・3~5日目:症状がピークを迎え、咳が出始める場合もある。
・5〜7日目:徐々に症状が和らいでくる。
・7〜10日目:ほとんどの症状が治まってくる。

また、風邪の回復を助けるためには、栄養面のサポートも大切です。

ビタミンCは免疫機能の維持に役立つ栄養素で、みかんやキウイ、ブロッコリーなどから積極的に摂るようにしましょう。

食欲がない場合は、スープや果物など食べやすいものから補うようにしてください。

【参考情報】『ビタミンC』厚生労働省
https://www.ejim.mhlw.go.jp/public/overseas/c03/09.html

2-3. 自宅療養中の過ごし方

風邪の症状がある間は、体を休めることが回復への近道です。

無理に仕事や外出を続けると、症状が長引いたり、周囲への感染リスクが高まったりすることがあるため、十分な睡眠をとり、水分をこまめに補給することが大切です。

水分補給には水やお茶のほか、スポーツドリンクや経口補水液も効果的でしょう。

室内は適度な湿度(50〜60%程度)を保つと、気道の乾燥を防ぎ、咳や鼻水の症状が和らぎやすくなると言われています。

また、入浴は体力の消耗を避けるためシャワー程度にとどめ、湯冷めしないよう注意しましょう。

【参考情報】『Treating a Cold』 Centers for Disease Control and Prevention
https://www.cdc.gov/common-cold/treatment/index.html

2-4. 市販薬を使う際の注意点

風邪の症状を一時的に和らげるために、市販の風邪薬や咳止め薬を使用するのもよいでしょう。

ただし、市販薬を使用しても症状が改善しない場合や、1週間以上症状が続く場合は、自己判断で使い続けることなく医療機関を受診するようにしましょう。

また、持病がある方や妊娠中の方は、市販薬の使用前にかかりつけ医や薬剤師に相談することをおすすめします。

◆「市販薬の使用」について>>

3. 受診を考えたほうがよいサイン

チアノーゼ、呼吸困難、意識がもうろうとしている、高熱など救急サインのイメージ
症状が長引く場合や、特定のサインが現れた場合は、医療機関への受診を検討しましょう。

この章では、医療機関を受診すべき具体的なサインをご紹介します。

3-1. 受診の目安と注意すべき症状

・2週間以上咳が止まらない場合
風邪以外の病気が隠れている可能性があります。

・咳の症状が悪化してきた場合
咳がだんだん激しくなってきた場合や、呼吸のたびに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音がする場合は、喘息などの可能性が考えられます。

・息苦しさや胸の痛みを感じる場合
肺炎気管支炎などに進行している可能性が考えられます。

・鼻水や痰の色が変わってきた場合
黄色や緑色に変化してきた場合や、痰に血が混じる場合は、細菌感染や副鼻腔炎などのサインである可能性があります。

・38度以上の発熱が続く場合
肺炎など、より重篤な病気のサインである可能性があります。
また、一度良くなった症状が再び悪化した場合や、咳がひどくて眠れない、鼻づまりで食欲がないなど、つらい症状が続く場合も注意が必要です。

このように、咳や鼻水の症状は、期間だけでなく症状の変化や体への影響も合わせて確認することが大切です。

自己判断で様子を見るのではなく、早めに受診することをおすすめします。

3-2. 子どもや高齢者の方は早めの受診を

子どもや高齢者の方は、症状が急激に悪化しやすいため、大人よりも早めに受診を検討することが大切です。

子どもは気道が細く、咳や鼻水が続くだけで呼吸に影響が出ることがあります。

特に、呼吸が速い、顔色が悪い、ぐったりしているといった様子が見られる場合は注意が必要となります。

高齢者の方の場合は、肺炎などの重症化リスクが高く、咳や発熱が続く際には軽視せず早めの対処が必要です。

3-3. 救急受診が必要な緊急サイン

以下のような症状が現れた場合は、注意が必要です。

・唇や爪の色が紫色になっている(チアノーゼ)
・息ができないほどの強い呼吸困難がある
・意識がもうろうとしている
・高熱とともに激しい頭痛や首の硬直がある

こうした症状がある場合は、早めに適切な処置を受けることが大切です。

ご自身やご家族に該当する症状が見られた場合は、迷わず救急への相談を検討しましょう。

【参考情報】『もしものときの救急車の利用法 どんな場合に、どう呼べばいいの?』政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/article/201609/entry-7888.html

4. 鼻水を伴う咳が続くときに考えられる病気

鼻水を都の舞う咳に隠れている可能性のある病気として咳喘息、喘息、胃食道逆流症、マイコプラズマ肺炎などがあることを示したイメージ
鼻水を伴う咳が続く場合、いくつかの病気が隠れている可能性があります。

早期発見・早期治療が大切な病気もあるため、適切な診断が必要です。

ここでは、鼻水を伴う咳の背景にある主な病気について説明します。

4-1. 咳喘息

喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)を伴わない乾いた咳がおよそ8週間以上続く病気です。

適切な治療を行わないと、約30%が喘息に移行する可能性があると言われており、早めの対処が重要となります。

乾いた咳が長く続き、夜間や早朝に出やすいのが特徴で、季節の変わり目に悪化したり、冷たい空気や運動がきっかけで咳が出たりすることもあります。

◆「咳喘息」の基本情報>>

4-2. 喘息

気道に慢性的な炎症が起こり、様々な刺激に対して気道が過敏になる病気です。

咳喘息と異なり、喘鳴や呼吸困難を伴うことがあり、発作的な咳とともに、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音や息苦しさ、胸の圧迫感といった症状が現れるのが特徴です。

【参考情報】『Asthma』 National Heart, Lung, and Blood Institute
https://www.nhlbi.nih.gov/health/asthma

4-3. 百日咳

百日咳菌による感染症で、特徴的な激しい咳発作が長期にわたって続きます。

咳の発作が繰り返されるほか、咳の後に「ヒュー」という音を立てて息を吸い込む動作が見られ、夜間に症状が悪化しやすいのが特徴です。

咳が数週間から数ヶ月にわたって続くこともあります。

◆「百日咳の基本情報」>>

4-4. 胃食道逆流症(GERD)

胃酸が食道に逆流することで様々な症状を引き起こす病気です。

逆流した胃酸が喉や気道を刺激することで、咳の原因になることがあります。

胸やけや酸っぱいものがこみ上げてくる感じが代表的な症状で、横になると咳が出やすくなったり、食後に症状が悪化したりする点も特徴の一つと言われています。

【参考情報】『Gastroesophageal Reflux Disease (GERD)』 National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases
https://www.niddk.nih.gov/health-information/digestive-diseases/acid-reflux-ger-gerd-adults

4-5. アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)

花粉やハウスダストなどのアレルゲンに対して鼻の粘膜が過剰に反応することで起こる病気です。

透明でさらっとした鼻水が大量に出るほか、くしゃみや鼻づまり、目のかゆみを伴うことがあります。

風邪と混同されやすいですが、発熱がなく同じ症状が繰り返し現れる場合はアレルギー性鼻炎の可能性があります。

4-6. マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマという細菌による感染症で、比較的元気に過ごせることが多いため風邪と区別がつきにくく、発熱や鼻水とともに乾いた咳が数週間にわたって続くのが特徴です。

治療には特定の抗菌薬が必要なため、長期間咳が止まらない場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。

◆「マイコプラズマ肺炎の基本情報」>>

5. 医療機関で行われる一般的な診察と検査

医療機関で行われる診察と検査の紹介として、問診・診察・レントゲン検査・呼吸器検査・血液検査・鼻腔ファイバースコープ検査などのイメージ
医療機関を受診すると、どのような診察や検査が行われるのでしょうか。

診察の流れを知っておくと、初めての受診でも安心です。

この章では、医療機関での診察の流れと検査、事前に準備しておくと役立つことについて解説します。

5-1. 詳しい問診

医師はまず、症状についての詳しい聞き取りを行います。

いつからどんな種類の咳が出ているのか、咳が出やすい時間帯など、咳の詳細を確認します。

あわせて、鼻水の色や状態、発熱の有無とその程度、息苦しさや胸の痛みなどその他の症状についても丁寧に聞いていきます。

また、アレルギーの有無や喫煙歴、過去にかかった病気、現在服用している薬なども診断の大切な手がかりになるため確認することがあります。

5-2. 診察

問診のあとは、実際に体の状態を確認する診察を行います。

聴診器を使って胸の音を聞き、ゼーゼーという喘鳴の有無や肺の状態を確かめます。

また、喉の状態を目で確認するほか、鼻の中を観察して鼻水の状態や鼻粘膜の腫れなどもチェックします。

副鼻腔炎が疑われる場合は、頬や額など顔面の痛みの有無も確認することもあります。

これらの診察は短時間で行われ、特に痛みを伴うものではありませんので、安心して受けていただけます。

5-3. 検査

症状や診察の結果に応じて、以下のような検査を行うことがあります。

すべての検査を一度に行うわけではなく、必要と判断されたものを選んで実施します。

・胸部レントゲン検査:肺炎や肺の病気を調べる
・呼吸機能検査:気道の狭さや肺活量を測定する
・呼気NO検査:気道の炎症の程度を調べる
・血液検査:炎症の程度やアレルギーの有無を確認する
・鼻腔ファイバースコープ検査:鼻の奥の状態を詳しく観察する

◆「呼吸器内科で行われる検査とは?」>>

5-4. 受診前に準備しておくと役立つこと

受診をよりスムーズにするために、事前に以下のことを準備しておくと安心です。

・症状が始まった時期と、その後の経過
・咳が出やすい状況(運動後・食後・就寝時など)
・現在飲んでいる薬やサプリメントの名前
・過去にかかった病気やアレルギーの情報
・使用中の市販の咳止め薬がある場合はその薬の名前

これらをメモにまとめて医師に見せることで、より的確な診断や治療につながります。

6. おわりに

鼻水と咳が長引く場合、多くは自然に治まりますが、中には専門的な治療が必要な病気が隠れていることもあります。

「咳が止まらない」「症状が悪化してきた」「日常生活に支障が出ている」といった場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

不安を抱えたまま様子を見続けるよりも、一度受診して原因を明らかにすることで、安心して治療に取り組むことができるでしょう。