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咳が止まらないのは季節の変わり目が原因?対策や受診の目安を解説

春の花粉や黄砂、梅雨前後の湿気やカビ、秋冬の乾燥や冷たい空気など、時期ごとに咳を起こしやすい要因

季節の変わり目に、風邪ではなさそうなのに咳だけが続くことはありませんか。

春の花粉や黄砂、梅雨前後の湿気やカビ、秋冬の乾燥や冷たい空気など、時期ごとに咳を起こしやすい要因があります。

この記事では、咳が止まらない原因を季節ごとに整理して、すぐにできるセルフケアの方法を紹介していきます。

1.季節の変わり目に咳が出やすい理由

季節の変わり目に咳が出やすい理由

季節の変わり目の咳は、ひとつの原因だけで起こるとは限りません。

気温や湿度、空気中の刺激物、感染症のあとに残る気道の敏感さなど、さまざまな原因が重なって、咳が長引くことがあります。

ここでは、咳が止まらないときに考えられる大まかな原因を解説します。

1-1. 寒暖差と乾燥で気道が敏感に

寒暖差と乾燥によって咳が出るメカニズム

朝晩と昼の気温差が大きい時期は、冷たい空気や急な温度変化で気道が刺激されやすくなります。

これは、夜間や早朝の急激な温度低下により、気道が収縮し、気道粘膜の血流低下を引き起こすためです。

これにより、少しの刺激でも咳が出やすくなるのです。

さらに空気が乾燥すると、のどや気道の粘膜の働きが落ち、さらに咳が出やすくなります。

特に秋のはじまりから冬にかけては、外気の冷たさと室内の乾燥が重なりやすいため注意が必要です。

【参考情報】『令和7年度 急性呼吸器感染症総合対策に関するQ&A』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2025.html#Q15

1-2. カビやダニが原因になることも

湿度の高い時期は、乾燥の季節とは逆に、湿度上昇が咳が止まらない原因になりえます。

湿気が多い室内ではカビやダニが増えやすく、これらを吸いこむことでアレルギーを引き起こし、咳や倦怠感、息切れなど風邪のような症状が出る可能性があります。

「咳が続いているけど風邪かな?」と様子を見ていると、原因となる病気の発見が遅れることがあります。咳が長引く場合は、カビやダニによる影響も考えられるため注意が必要です。

また、このような時期はエアコンを使い始める人も増えますが、一般的な家庭用エアコンは空気を循環させる機械であり、換気はしてくれません。

そのため、エアコンの風により室内のカビが室内に浮遊し、気道へ侵入しやすくなってしまいます。

除湿と換気を意識し、エアコン任せにしないことが大切です。

◆「アレルギー症状の原因となるカビ」について詳しく>>

【参考情報】『Mold』Centers for Disease Control and Prevention (CDC)
https://www.cdc.gov/mold-health/about/index.html

1-3. 花粉や黄砂、PM2.5にも注意

春はスギやヒノキ、秋はブタクサなどの花粉が飛びやすく、花粉によるアレルギー症状として鼻水だけでなく咳がでることがあります。

花粉症の咳は、後鼻漏でのどが刺激されたり、口呼吸でのどが乾いたりして悪化しやすいのが特徴です。

また、中国大陸から飛来する黄砂や、PM2.5にも注意が必要です。

黄砂やPM2.5を吸い込むことで、喘息や気管支炎などの呼吸器系疾患が悪化する恐れがあります。

呼吸器疾患を持っていない方も、黄砂が原因で長引く咳を発症する可能性があります。

【参考情報】『微小粒子状物質(PM2.5)に関するよくある質問(Q & A)』環境省
https://www.env.go.jp/content/900403822.pdf

2.季節別にみる咳が出やすい主な原因

季節別の咳が出やすい原因の例

咳が止まらない原因を考えるときは、今がどの季節の変わり目なのかを意識するとわかりやすいはずです。

ここでは、季節ごとに咳の原因を紹介します。

自分がどの原因にあてはまるか整理してみましょう。

2-1. 春は花粉や黄砂、寒暖差に注意

春は花粉の飛散が多く、黄砂やPM2.5がの飛来も多い時期です。

さらに日中は暖かくても朝晩は冷え込むため、寒暖差で咳が出やすくなっていることも考えられます。

外出後にのどがイガイガする、鼻水と一緒に乾いた咳が出るという場合は、花粉や黄砂、PM2.5によるアレルギー症状である可能性が高まります。

一方で、冷たい空気を吸いこんだ瞬間や、涼しい空間に入った途端に咳が出る場合は、寒暖差が原因であると考えられるでしょう。

◆「黄砂で喉が痛いときの対策と予防法」>>

2-2. 夏はカビやダニが繁殖しやすい

カビやダニの繁殖からアレルギー症状が出るまでのフロー

カビとダニの繁殖しやすい環境は一般的に

カビ:温度20~40℃、湿度70%以上
ダニ:温度25℃前後、湿度65%以上

とされており、夏はカビやダニにとって絶好の繁殖時期になります。

夏に咳が止まらない場合は、カビやダニの吸引によるアレルギー症状が考えられます。

特に湿度が高くなりやすい梅雨の前後は、注意が必要です。

さらに、古い家屋などでは「トリコスポロン」というカビが繁殖している場合があり、このトリコスポロンの胞子を繰り返し吸引してしまうことで「夏型過敏性肺炎」を発症する場合があります。

夏型過敏性肺炎は、慢性化してしまうと完治が難しくなるため、早期発見・早期治療が不可欠です。

◆「過敏性肺炎」について詳しく>>

2-3. 秋から冬は乾燥や冷気、感染症後の咳に注意

秋は寒暖差や花粉の吸引によるアレルギー症状に加え、夏ごろから秋にかけて流行するRSウイルスの感染にも注意が必要な時期です。

ゼーゼーといった呼吸音(喘鳴:ぜんめい)や微熱を伴う咳が続いている場合はRSウイルスに感染している場合があります。

一方で、冬は乾燥や室内外の寒暖差に加え、インフルエンザの流行時期です。

インフルエンザはRSウイルスに比べて、咳の症状は弱いですが、倦怠感や筋肉痛といった全身症状や高熱を伴うのが特徴です。

どちらのウイルスも感染そのものが落ち着いていても、咳だけ長引くことがあります。

【参考情報】『風邪?インフルエンザ?RSウイルスの見分け方と今年の流行』日本呼吸器学会
https://www.jrs.or.jp/citizen/column/2025/0916101027.html

【参考情報】『Respiratory Syncytial Virus Infection (RSV)』Centers for Disease Control and Prevention
https://www.cdc.gov/rsv/index.html

3.自宅でできる対策

自宅でできる咳の対策例

咳の対策は、薬だけではありません。

室内環境と生活習慣を整えるだけでも、気道への刺激を減らしやすくなります。

3-1. 湿度は50~60%に

乾燥しやすい時期は加湿器、湿度の高い時期は除湿器などを使い、室内の湿度を50~60%程度に保ちましょう。

これにより、ウイルスの活動を抑えながら、カビやダニの繁殖も抑制することができます。

季節に合わせて、加湿と除湿を使い分けましょう。

【参考情報】『Indoor Air Facts No.8: Controlling Mold Growth in the Home』U.S. Environmental Protection Agency
https://www.epa.gov/indoor-air-quality-iaq/inside-story-guide-indoor-air-quality

3-2. 室内環境を整える

家庭用エアコンは換気をしてくれないため、換気扇や窓開けも必要です。

晴れた日は窓を開け、雨の日は除湿や送風を使って空気を動かしましょう。

掃除では、床の拭き掃除、寝具の洗濯、カーテンや布製品の手入れが大切です。

カビやダニが増えやすい梅雨前後は、寝室や押し入れの風通しを考えることも重要です。

◆「咳が止まらない時の対処法」>>

4.外出時や通勤時の工夫

外出時のアレルギー対策の工夫例

外では気温差やアレルゲンを完全には避けられません。

それでも、ちょっとした工夫で咳の出やすさは変わります。

4-1. 花粉や刺激物を持ち込まない工夫

花粉の多い日は、顔に合った不織布マスクや眼鏡を使うと、体に入る花粉を減らしやすくなります。

帰宅時は建物に入る前に衣類の花粉を払い、家に入ったらうがいと洗顔を行いましょう。

春は黄砂情報も確認し、つらい日は外出時間を短くするのも方法です。

【参考情報】『花粉症で悩む皆さま! 早めの治療や予防行動を!』政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/article/201102/entry-8208.html

◆「有効なマスクの選び方と使い方」について>>

4-2. 寒暖差を小さくする服装を意識

通勤や通学では、屋外の冷気と室内の空調の差で咳が出ることがあります。

首元を冷やさない、脱ぎ着しやすい服装にする、息を整えながら移動するなど、急な気道の収縮や血流低下を減らす意識が大切です。

冷たい空気や急な刺激で咳が出やすい方は、外出時の服装も注意しましょう。

5.咳が止まらないときに考えられる病気と受診の目安

咳が長引き、呼吸器内科の受診している様子

たしかに咳は季節の変わり目に出やすいものですが、長引く咳は季節の変わり目だけが原因とは限りません。

長引く場合は、その裏に病気が隠れていないか確認することが大切です。

5-1. 長引く咳で考えられる病気

長引く咳の原因としては、

などさまざまな病気が考えられます。

2週間以上咳が止まらない場合は、病気が隠れている可能性があるため、一度呼吸器内科などに受診しましょう。

◆「咳が止まらないときは、何科を受診すればいい?」>>

5-2. 早めに呼吸器内科へ相談したい症状

・咳が2週間以上続く
・息苦しさやゼーゼーといった呼吸音がある
・夜間や早朝に咳が強くなる
・熱や痰が長引く
・血の混じった痰が出る

といった症状がある場合は、早めに呼吸器内科で原因を確認することが大切です。

重大な病気が隠れていることもあるので、「季節の変わり目」だからと決め付けずに、すぐお近くの呼吸器内科などで詳しく検査してもらいましょう。

◆「呼吸器内科で行われる検査」について詳しく>>

【参考情報】『Cough』MedlinePlus, U.S. National Library of Medicine
https://medlineplus.gov/cough.html

6.おわりに

季節の変わり目の咳は、寒暖差や乾燥だけでなく、花粉、黄砂、梅雨前後のカビやダニ、感染後の気道の敏感さなど、時期によって原因が変わります。

加湿、換気、掃除、マスク、衣類調整といったセルフケアを続けても咳が長引く場合や、息苦しさを伴う場合は、呼吸器内科で確認することが大切です。

以下の症状がある方は、早めの受診をおすすめします

  • 咳が2週間以上続いている
  • 夜間や明け方に咳がひどくなる
  • 痰に血が混じることがある
  • 咳のせいで眠れない日がある
  • 市販の咳止めを飲んでも改善しない

当てはまる項目がある方は、呼吸器専門医に相談してみませんか?

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